人生にモテ期は3度くるという話を聞いたことがある。
どこの専門家が言ったのか知らんが僕はその説の対象外だったようだ。
モテ期のモの字も感じられない人生を送ってきた。神様は平等じゃない。
強いて言うならば、バレンタインにチョコレートが嫌いな僕のためにせんべいをプレゼントしてくれる女子はいた。
・・・
察してほしい。
そんな僕に一縷の光が差し込んだ。
中学の同級生の女の子から電話がかかってきたのである。
ついにモテ期というやつがやってきた。
革命のファンファーレは鳴った!!!勝利の狼煙(のろし)をあげよ!今日は宴だ!!
心の中で勝利宣言をした。韓国俳優並みの足組みをし、ゴホン。あぁ。あぁ。と声のチェックをしてから電話に出る。 準備は万端だ。
「うい、久しぶり。急にどうした?」
我が人生最大のイケボであった。こんな日もあろうかとディーンフジオカのラジオを聞きこんでいた。努力は実を結ぶのである。
「ごめん、急に。携帯変えようかなって考えてない?」
と彼女は言う。何かが変だ。思ってたのと違う。
以下、会話の流れだ。
「別に考えてないけど、なんで?」
「私、ソフトバンクの代理店でインターン始めたんだけど、携帯の料金プランの説明の練習に付き合ってほしい…🥺」
「(なんで俺が・・・)別にいいけどいつどこでやるかにもよるな」
「新宿東口!!15日までだったらいつでもいいから!!」
「(新宿は遠すぎる…コロナもあるし…)それって今電話でやるんじゃだめなの?」
「上司の人が隣にいないとダメで。。お願い。いつなら空いてる?? 11日とかは?」
おい待ってくれ。勝手に話を進めるな。
新宿という時点でもう行く気が失せた。何より僕の知ってるモテ期はこういうことじゃない。
僕は彼女の誘いをやんわり断ることに決めた。
「いや〜、今はバタバタしてて不確定要素多いから決め切れないんだよね。空いてる日があったら連絡するよ」
"空いてる日があれば連絡する" やんわり断る時に使う言葉ランキング4年連続1位だ。
空いてる日があれば連絡すると言っておけば、ダメだった時に忙しかったという言い訳ができる。
優柔不断な僕の常套手段。ぜひ使ってくれ。
しかし彼女はそんな僕の予想をはるかに超えてきた。
「そうなのか〜。。明日とかはどう?いつなら行ける?」
……
………
……………。
僕はさっき「行ける日があったら連絡する」と答えたばかり。
会話になっていないのだ。
誰かを誘うときは断りやすいように(断るのに負い目を感じないように)、断る理由を作った上で誘うのがマナーだと思う。
それで言うと、いきなり電話+その場で返答しなければいけない状況。
優しさという観点でみたら0点である。
どうしてお願いされてる方がエネルギー使っているんだ。
特に関係性が無いのだから尚のこと気を遣わないといけなかったはずだろ?
そんなことを考えながら
「行ける日があったら連絡する」と低めのトーンでもう一度答えた。
さすがに向こうもそれで諦めてくれたが、
「え〜、なんでダメなの〜? ○○くんはきてくれるよ〜?🥺🥺」なんて言い出したから、後半はずっとイライラしていた。
理想のモテ期からどんどん離れていく。
どうしてそこまでグイグイ来るのか気になったから
聞いてみたところ、固定給はなく完全歩合制らしい。
つまり契約を取れなかったら給料は0。
そりゃ必死になる。
そこからさらに深く聞いていくと衝撃的な事実がわかってきた。
「まずは友達から狙って、そこから輪を広げていきたいと思ってる」
と答えていたので、大変だな〜。友達無くしそうだな〜と思った。
問題は次だ。
「どうして数ある友達から僕に電話したの?」
と質問したところ、
「冨山は人脈広そうだからちょうどいいと思って」
ん?
ん??
ん????
"ちょうどいい"ってなに?
僕が携帯を変えるつもりがないことは冒頭で伝えている。
ここでの"ちょうどいい"は金ヅルとしてちょうどいいという意味でしかない。
"ちょうどいい"と言われたことで怒りの沸点に達し、電話を切った。
ぶち切りとまではいかないが、無理矢理終わらせた。
友達に営業をかけることはこの年齢にもなってくるとよくあることだと思うが、関係値を超え過ぎている。
そして何より"冨山はちょうど良いと思って"はド単純に失礼だろ。
新年早々カリカリした話でした
モテ期はどこにいったんですか
※今日の記事はめちゃくちゃ脚色してます。